
第1章|はじめに:虫が苦手でもカマキリを飼える時代に?
カマキリといえば「虫しか食べない」というイメージが強いですが、実は家庭にある食材でも飼育ができることをご存知ですか?野生ではバッタやコオロギを捕食する肉食性のカマキリですが、最近では「虫が苦手だけど飼いたい」「子どもが拾ってきたのでなんとか飼育したい」といった声が増えており、虫を使わずに代替食材で育てる方法に注目が集まっています。
とはいえ、何でも与えていいわけではありません。パンやハムなどの加工食品はNGですし、与え方を誤ると健康を害してしまうことも。この記事では、虫がなくてもカマキリを健康に育てられるよう、家庭にある食材の中から「与えてよいもの・いけないもの」を整理し、安全で楽しい飼育方法をご紹介します。
例えば、「バナナやリンゴなどの果物は本当に食べるの?」「ツナ缶って与えていいの?」という疑問にも丁寧にお答えしながら、代替食のコツや水分補給の方法、さらにはカマキリの個性に合わせた餌の選び方まで解説します。
この記事は「虫なしで飼いたいけど不安」「身近な食材でできる範囲で飼育してみたい」と思っている初心者の方にぴったりの内容です。カマキリとの新しい暮らしを、ぜひここからはじめてみませんか?
第2章|カマキリって何を食べる?虫以外も食べるって本当?
カマキリはもともと肉食性の昆虫で、野生では主にバッタやコオロギ、ハエ、小型のカメムシなどを捕食します。前足で獲物をとらえ、鋭い口で肉をかみ砕く姿はまさにハンター。しかし、飼育下では必ずしも昆虫だけを与える必要はなく、代替食として「果物」や「ゆで卵の白身」などを食べてくれる個体もいます。
実際には、すべてのカマキリが虫以外を食べるわけではなく、個体差があります。興味を示すかどうかは試してみないとわからないことも多く、エサの種類や切り方、においなどによって反応が異なります。
下記にカマキリの主な食性をまとめました。
| 種類 | 野生での主食 | 飼育下での代用例 |
|---|---|---|
| 幼虫(孵化直後) | アブラムシ、小バエ | 難しい(微小昆虫が必要) |
| 幼虫(中期) | 小型バッタ、ショウジョウバエ | バナナ、リンゴの果汁など |
| 成虫 | バッタ、セミ、小型の昆虫 | ゆで卵の白身、果物、昆虫ゼリー |
このように、代替食が効くのはある程度育った個体からです。与え方の工夫次第では、虫以外でもカマキリを健康に育てられる可能性があります。
また、味覚よりもにおいや動きに反応する傾向があるため、静止した食べ物に興味を持たない個体もいます。そのような場合は、餌を揺らして動かすなどの工夫が必要です。
第3章|なぜ代替食が必要になるの?虫以外の餌を与える理由
虫が捕まえられないから、という理由だけではありません。実は「代替食」が必要とされる背景には、以下のような事情があります。
まず、住環境の問題。都市部やマンション暮らしでは、生きた虫を用意するのが難しく、飼育者が虫嫌いというケースも多くあります。特に子どもが拾ってきたカマキリを飼いたいけど「虫は無理…」という親御さんは少なくありません。
次に、虫エサの保存性の問題です。生きたコオロギやバッタは長期保存できないため、餌切れのリスクが高くなります。その点、ゆで卵やバナナ、昆虫ゼリーなどの代替食は常温・冷蔵保存が可能で、飼育が継続しやすくなります。
さらに、冬越しを目指す場合には虫の確保が難しくなるため、代替食での対応が現実的になります。下記に、代替食のメリット・デメリットをまとめました。
| 観点 | 代替食のメリット | デメリット |
|---|---|---|
| 衛生面 | 虫の腐敗・においを防げる | 食べ残しが腐りやすい |
| 保存性 | 日持ちするものが多い | 開封後の管理が必要 |
| コスト | 家庭にあるもので代用できる場合が多い | 市販品はやや割高なことも |
| 与えやすさ | 動かなくても与えられる | 動かないと食べない個体もいる |
このように、代替食には利便性の高さがあります。ただし、主食としては不十分な場合もあるため、栄養バランスに注意しながら補助的に活用しましょう。

第4章|果物はカマキリの水分補給にピッタリ!おすすめ3選
果物はカマキリにとって、水分補給と糖分摂取の両方ができる貴重な代替餌です。特に夏場など脱水が心配な時期には、果物を少量与えることで体調維持に役立ちます。ただし、あくまで補助的な役割であり、栄養の中心にはなりません。カマキリが口にしやすい果物の種類や与え方を知っておきましょう。
| 果物 | 与え方のポイント | 注意点 |
|---|---|---|
| りんご | 薄くスライスして汁をなめさせる | 酸化すると黒ずみ腐敗が早い |
| バナナ | 熟したものを潰して一口大に | 食べ過ぎると下痢の原因に |
| メロン・キウイ | 果汁が多く香りが強いので食いつき良好 | 種は必ず取り除く |
果物の与え方としては、ティッシュやスプーンに果汁を染み込ませて差し出す方法が衛生的です。果物を直接置く場合は、長時間放置せず数時間以内に片付けるのが基本。発酵やカビによる虫の発生を防ぐためです。
【体験談①:40代女性/小学生の子どもと飼育】
子どもが拾ってきたカマキリにバナナを試したら、ちょこんと寄ってきてなめてくれました!あまり動かないけど、果汁のにおいに反応するようです。
果物は「動きがないので食べないかも…」と不安に思う方も多いですが、香りが強いものや甘い汁を使うと反応しやすくなります。個体によって好みが分かれるため、数種類をローテーションしながら与えるのがおすすめです。
第5章|野菜もいける!?水分補給に使える野菜と注意点
カマキリにとって、野菜は果物と同じく水分補給の役割を担う代替食材です。特に夏場の高温多湿の時期には脱水防止として役立ちます。ただし、野菜は硬さや香りによって好みが分かれるため、与える種類や方法に少しコツが必要です。
| 野菜 | 与え方の工夫 | 注意点 |
|---|---|---|
| きゅうり | 薄くスライスし水気を保って与える | 冷蔵庫から出してすぐは冷たすぎる |
| レタス | 外葉の柔らかい部分をちぎって | 残った葉はすぐ捨てる |
| にんじん | すりおろして水分と一緒に与える | 生のままだと硬くて不向き |
| ブロッコリー | 茹でて柔らかくしたものを小さく切る | 塩茹では絶対NG |
野菜の与え方としては、果物よりもやや工夫が必要です。にんじんのような硬い野菜は生のままだとほとんど食べませんが、すりおろすと果汁と一緒になって摂取しやすくなります。ブロッコリーは加熱して柔らかくしてから与えると、口をつけやすくなります。
【体験談②:30代主婦】
家にきゅうりしかなかったので試してみたら、意外と反応がよくて驚きました。朝のうちにあげて、昼前には片付けてます。
なお、野菜は果物に比べて匂いが弱く、動かないので興味を示しにくい個体もいます。その場合は、果汁と混ぜてみたり、小さく揺らしてみたりと、食欲を刺激する工夫をしてみましょう。
第6章|動物性たんぱく質を補える食材とは?昆虫に近い栄養価
本来、カマキリの主な栄養源は昆虫などの動物性たんぱく質です。そのため、虫が手に入らない場合は、同じくたんぱく質が豊富な食材を代替として与えると栄養バランスが保ちやすくなります。ただし、人間用の食品には注意が必要で、選ぶ食材と与え方には細心の配慮が求められます。
| 食材 | 与え方と量の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| ゆで卵の白身 | 小さくちぎって、1日1回ごく少量 | 黄身は脂肪が多いのでNG |
| ツナ缶(ノンオイル) | 塩分無添加タイプを使用、米粒大でOK | オイル入りや味付きは危険 |
| ササミ(無味・茹で) | 茹でて裂いたものを極少量 | 与えすぎは消化不良の元 |
動物性の食材は腐りやすいため、与えたら30分以内に食べるか確認し、残っていたらすぐに取り除いてください。また、生肉や調味料付きの食品は絶対に与えないでください。
【体験談③:40代男性】
ゆで卵の白身をちぎってあげたら、意外と食いつきがよくて驚きました。虫がない日には助かってます。
【体験談④:20代女性】
ツナ缶をあげてみたらしばらく眺めてたけど、翌朝にはなくなってました。好みにもよるけど、案外いけるのかも。
カマキリに必要な動物性の栄養を確保するためにも、虫が与えられないときには上記のような食品を“サポート食”として活用してみましょう。ただし、基本は「少量・短時間・無添加」が原則です。

第7章|便利で安心!市販の餌アイテムも活用しよう
虫を捕まえるのが難しいときや、忙しくて食材の準備ができないときに便利なのが、市販の餌アイテムです。最近では、カブトムシやハムスター用の餌がカマキリにも応用できると話題になっています。ただし、すべての市販品が安全というわけではないため、選び方や与え方のポイントを押さえておきましょう。
| 市販餌アイテム | 使用方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| 昆虫ゼリー(カブトムシ用) | 小皿に出して与える、もしくはスプーンにのせて | 甘すぎるタイプは控える |
| ハムスター用ペレット | 少量を水でふやかして柔らかくして与える | 添加物・着色料に注意 |
| 犬猫用たんぱく質おやつ | 無添加・塩分ゼロのささみスティックなど | 塩分・脂肪の多いものはNG |
【体験談⑤:50代女性】
旅行前に昆虫ゼリーを置いて出かけたら、帰宅後も元気にしていてびっくりしました。常備しておくと安心ですね。
市販品の最大のメリットは、保存が効くことと手軽に使えることです。特に昆虫ゼリーは密封状態で販売されているため衛生的で、カマキリが好む甘い香りがあるのも魅力です。ただし、糖分が高すぎると健康に悪影響を及ぼす可能性もあるため、与えすぎには注意しましょう。
ハムスター用ペレットを使う場合は、粉末状にしたものを水で練ると与えやすくなります。塩分や保存料などが含まれていないか成分表示をしっかり確認してから使いましょう。
第8章|絶対NG!カマキリに与えてはいけない危険食材
カマキリは意外と何でも食べそうに見えるかもしれませんが、与えてはいけない食材も多く存在します。特に人間が普段食べている食品の多くは、カマキリにとって危険なものばかり。かわいいからといって「一口あげる」のはNGです。
| 食材カテゴリ | 理由・危険性 |
|---|---|
| パン・ご飯 | 炭水化物中心で消化不良を起こす可能性 |
| チーズ・ハムなどの加工品 | 塩分や添加物が多く、内臓に負担がかかる |
| チョコレート・コーヒー | カフェインやテオブロミンが毒になる |
| アボカド | ペット全般に毒性あり、摂取で死亡例も |
| 柑橘類 | 酸が強すぎて体内バランスを崩すことがある |
これらの食材は「ちょっとくらいなら大丈夫かな」と思って与えてしまいがちですが、カマキリの体はとても小さく、人間のごく少量が命に関わることもあります。
特に注意したいのは、見た目が“健康的”に見えるものでも危険なケース。たとえば「レーズン入りパン」や「サラダにのっているチーズ」など、一見自然な素材に見えても、加工や添加物が含まれている場合があるため、基本的には“人間のために作られた食品”は与えないと決めておくのが安心です。
第9章|エサを食べないときは?拒食対策チェックリスト
カマキリがエサをまったく食べないとき、すぐに「病気かも」と心配になるかもしれませんが、実は環境や状態によって一時的に食欲が落ちることもあります。以下のチェックリストで原因を探ってみましょう。
| チェック項目 | 対応策 |
|---|---|
| エサの種類が合っていない | 好みを変えて複数の餌を試す |
| 温度や湿度が合っていない | 適温(25〜30℃)と適湿を保つ |
| 脱皮前の期間である | 数日間は無理に食べさせず見守る |
| ストレス環境にある | 騒音・強い光・触れすぎに注意 |
| 餌が動いていない・興味がない | 揺らす・香りを強調して刺激してみる |
カマキリは非常に繊細な生き物です。餌を変えたばかりのときや、飼育環境が変化したときなどは、警戒心から食べなくなることがあります。また、脱皮直前や直後も一時的に食欲が落ちるのが通常です。
「昨日まで食べていたのに急に食べない」という場合でも、慌てずに上記の原因を一つずつ見直してみましょう。特に、ケージ内の気温・湿度・餌のにおいなどが原因であることが多く、ほんの少しの調整で改善するケースも少なくありません。
カマキリは言葉で教えてくれないからこそ、日々の様子をじっくり観察することが大切です。目の動きや体の色、動きの活発さなども、状態の判断材料になります。

第10章|成長ステージ別|正しい餌の選び方と量の目安
カマキリの餌は、その成長段階によって種類や量を調整する必要があります。特に幼虫期と成虫期では必要な栄養素や摂取量に大きな違いがあり、適切な餌選びが健康維持に欠かせません。また、脱皮の前後や季節の変化にも注意が必要です。
| 成長段階 | 推奨される餌 | 与える頻度と量 |
|---|---|---|
| 孵化直後(初齢) | 微小な昆虫(アブラムシなど) | 1日に数回、小さな餌を |
| 幼虫(中〜後齢) | 果物、レタス、潰したゆで卵など | 1〜2回/日、無理に食べさせない |
| 成虫 | ツナ缶、白身、昆虫ゼリーなど | 1日1回、様子を見ながら調整 |
脱皮前のカマキリは食欲が落ちやすく、無理に与えるとストレスの原因にもなります。脱皮後もしばらくは内臓が安定していないため、やわらかく水分の多い食材を中心に少量からスタートしましょう。
また、冬場の飼育では活動が鈍るため、無理に毎日エサを与える必要はありません。室温や日照に応じて、数日に一度程度で問題ないこともあります。
餌の量に迷ったときは、1日食べ切れる量を基本に。残った餌が多ければ翌日減らす、すぐになくなるようなら少し増やすという風に、様子を見ながら調整しましょう。
第11章|水分補給・衛生管理・“なつく”って本当?飼育の裏ワザ
カマキリは水をあまり飲まないイメージがありますが、実際には水分補給がとても重要です。果物や野菜からの間接的な補給もありますが、乾燥する時期や餌を食べないときには、直接的な水の供給が必要になります。
| 方法 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 水滴を葉や皿にのせる | 自然な形で飲ませられる | 水がたまりすぎると転倒の危険あり |
| スポイトで滴下する | 目の前に出せて確実性がある | 強く押しすぎないよう注意 |
| ティッシュに水を含ませる | ゆっくり吸えるのでストレスが少ない | 毎日交換し清潔を保つこと |
また、カマキリのケージ内の清潔さも健康を保つ鍵です。残った餌はこまめに取り除き、フンが溜まったらティッシュで掃除する習慣をつけましょう。
さらに気になるのが「カマキリはなつくのか?」という疑問。結論から言えば、犬猫のようななつき方はしませんが、個体によっては飼い主の手を見て寄ってきたり、餌を待つような行動を見せることもあります。
じっと観察していると、同じように見えるカマキリにも性格があることに気づくはず。臆病な子もいれば、好奇心旺盛な子もいます。餌を通して信頼関係を築けたように感じられる瞬間が、飼育の楽しみの一つです。
第12章|まとめ:虫なしでもOK!カマキリ飼育をもっと気軽に楽しく
カマキリを飼うとき「虫がないと無理」と思われがちですが、この記事で紹介したように、果物や野菜、ゆで卵などの家庭にある食材でも代用が可能です。もちろん完璧に虫と同じ栄養を与えるのは難しいかもしれませんが、個体によっては十分元気に育ってくれます。
与えてよい食材とNGな食材の違いを理解し、成長段階や季節に応じて適切な餌を用意することで、無理なく安全に飼育が続けられます。特に便利な市販の餌や、水分補給・衛生管理といったサポート技術を組み合わせることで、虫が苦手な方でも安心してカマキリと暮らせるようになるはずです。
カマキリの飼育は、観察する面白さや小さな個性に触れる楽しさもあり、子どもから大人まで幅広くおすすめできます。最初は戸惑うことがあっても、毎日の餌やりを通して小さな命と向き合う時間は、きっとかけがえのないものになるはずです。
このガイドが、あなたとカマキリの素敵な暮らしのヒントになりますように。